9月に入り、宮城県内でタコの漁が解禁となりました。
漁師ではありませんが、釣りが好きなのです。
でももちろん最低限ルールは守って楽しみたい。(というかトラブルに巻き込まれたくない)
釣り人がルールに反していると、釣り禁止の場所が増えたりします…それは避けたい。ということで、宮城県内におけるタコ釣りのルールについて調べてみました。
タコって獲るのに決まりがあるの?
何気にタコって獲るのに決まり事があります。
でも知らない人にとっては分かりづらいのですが、漁業関係者だけじゃなく、釣りをしたい一般の人でも則らなければいけないことなので調べてまとめてみました。
個人的に県の水産振興課に問い合わせたり、県のHPを探した結果なので、間違っていても責任は取れません。
結果から言うと、タコを獲って大丈夫なのは、気仙沼港、石巻港、仙台塩釜港の3つ。
大丈夫と「思われる」のが仙台塩釜港以南。
宮城で海のものを捕るには大きく2つの決まり事について守らなければなりません。
- 宮城県漁業調整規則
- 漁業権
一応↓のページに書いてはあるんですが漁業権がとても分かりづらい。
それぞれどういうルールなのか見ていきましょう。
宮城県漁業調整規則
この規則定められているのは単純明快。
34条に「宮城県全域において、4月1日から8月31日の期間、まだこの採取を禁止」とあります。
漁師、一般問わず、宮城県内においては4月から8月いっぱいまではまだこを獲ってはいけないようです。
漁業権
漁業権は以下3つの種類があります。
- 区画漁業権
- 定置漁業権
- 共同漁業権
区画漁業とは要は「養殖」のこと、定置漁業とは「定置網による漁」のことなので、陸っぱりから釣りする分には何も関係なさそうです。
しかし、共同漁業権がタコを獲っていいかどうかに関わってきます。
共同漁業権とは
海岸線を含む、決められた海域について、漁業権を持った人しか特定の海産物を獲ってはいけないよ、というのを決めているもの。
ウニやアワビについてはなんとなく捕っちゃいけないことはみんな理解していますが、実はワカメやコンブなんかにも設定されている区画もあります。
漁業権の設定海域は宮城県HPにも載っていますが、海上保安庁のHPに公開されている「CeisNet(シーズネット)」で確認すると便利です。
「マダコ」に限って言えば、どうも以下区域ならば共同漁業権による制約はない模様。
- 気仙沼港
- 石巻港
- 仙台塩釜港
気仙沼港の共同漁業権
気仙沼港湾内は共同漁業権が設定されてません。
石巻港の共同漁業権
石巻港についても共同漁業権が設定されてません。
仙台塩釜港の共同漁業権
仙台塩釜港についても同様に、共同漁業権の設定はなし。
なぜ共同漁業権の設定がない区画があるのか
港の管理管轄箇所が漁業協同組合ではないため、共同漁業権が設定されていないものと思われます。
※ただし、そもそも釣り禁止区域もありますので注意が必要です。
仙台塩釜港以南はどうなの?
仙台塩釜港以南については、共同漁業権は設定されていますがその対象にマダコは含まれていない模様。
シーズネットでも確認できますが、宮城県が公開してる資料だとこんな感じ。
名取周辺の海域に赤線に囲まれて153と書いてありますが、この図だと、赤線は第一種共同漁業権を示しており、153は公示番号「共第153号」を示しています。
共第153号で制限されているのは、うばがい、こたまがい、しゃこ、なまこです。まだこは含まれていません。
うばがい、こたまがい、しゃこ、なまこをこの海域で漁業権者以外が採取すると密猟となります。
この決まりは、これまた県のHPに公開されています。
このページ内に公開されている以下のPDFファイルに共同漁業権の一覧とその詳細が掲載されています。
最後に
釣りする人は気さくでいい人が多い気がします。決まったルールをあえて破る人は少ないとも信じています。
それでもルールが分かりづらいと、知らずに破ってしまうこともあり得ます。
正直漁業権については漁業従事者じゃないと分かりづらいことも多い。
こういうのを県のHPで公開するならもっと分かりやすく提示するべきですが、そもそもPDFが置いてあっても検索しづらいと感じました。
それに漁業権は5年、10年で更新されるもの。内容にも変更があります。
しかし最新の情報をまとめたPDFは置いておらず、差分のPDFがバラバラと置いてある状態。
これじゃあ誤解して見誤ったりする人も多数いると思います。
今回このページをまとめるにあたって県の担当部署に問い合わせをしていますが、
漁業権は各県が各漁業協同組合に管理を委任している。
その海域を管理している漁協独自に保護している海産物があるかもしれないので、各漁協に問い合わせてください。
と言われました。
守って欲しいルールならば、もっと分かりやすく情報公開して欲しいものです。
なんだか愚痴っぽいまとめになってしまいましたが、ルールを定める側は分かりやすく情報を得て公開することを、また釣りする側はその地域のルールをチェックすることを気をつけて、楽しい釣りライフをしていきたいですね。
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